私が主として扱っているのは、湿式の閉鎖型スプリンクラーヘッドです。
今回交換したヘッドは、1999年製。
およそ27年間もの間、建物の安全を守り続けてきたことになります。
法律上、閉鎖型スプリンクラーヘッドには強制的な交換期限はありません。
しかし、日本消火装置工業会では18〜20年程度での交換が推奨されています。
27年間という年月を考えると、本当に長い間、その役目を果たしてくれた設備だと感じます。
私個人の感覚では、ヘッド本体よりも消火配管や継手の状態の方が気になるケースも少なくありません。
とはいえ、湿式スプリンクラー設備は通常時でも配管内が加圧された水で満たされており、
水が常に流れているわけではありません。
実際に通水されるのは、年次点検で末端試験弁を開放し、放水圧や放水状況を確認するときなどが中心です。
そのため、比較的安定した環境で使用されている設備ともいえます。
スプリンクラーヘッドはどんな時に交換するのか?
私の仕事のメインは、テナントの入居工事や原状回復工事です。
テナント入居工事とは、借りた空間を用途に合わせてつくり替える工事のこと。
建設業界では、一般的に次の3つの工事区分に分けられます。
A工事:オーナーが費用を負担し、指定業者がビル全体や共用部分を施工する工事
B工事:テナントが費用を負担しますが、防災設備や建物全体の安全に関わるため、オーナー指定業者が施工する工事
C工事:テナントが費用を負担し、自ら選んだ業者で内装やレイアウトを自由に施工する工事
私たち消防設備士が担当する工事は、多くの場合B工事に該当します。
間仕切りの新設・変更や天井の仕様変更に伴い、
スプリンクラーヘッドの新設
移設
撤去
配管の改修
などを行っています。
今回の施工内容
今回は、テナント様が退去されることに伴う原状回復工事でした。
現場では、1999年製のスプリンクラーヘッドが使用されていました。
まず最初に行ったのは、既設ヘッドへ保護キャップを取り付ける作業です。
現行品の保護キャップが問題なく装着でき、一安心。

今回のフロアでは、およそ230個のスプリンクラーヘッドすべてに保護キャップを取り付けました。
その後、天井ボードが撤去されたタイミングで、巻き出しフレキとスプリンクラーヘッドを新しいものへ順次交換していきます。
一見すると「ヘッドを交換するだけ」の工事に見えるかもしれません。
しかし実際には、内装・電気・空調など多くの業者と工程を調整しながら、
工事中の消防計画に従い、防災機能を維持したまま施工を進める必要があります。
普段、建物を利用している方が目にすることはありませんが、このような積み重ねが建物の安全を支えています。
これからも一つひとつの現場で、確実な施工を積み重ねていきたいと思います。
写真 左側が1999年製造のスプリンクラーヘッドで右側が現行品です。






