水系消火設備の工事担当をしています、岩崎です。

本日は、建物の屋上に設置される消火用水槽について、

少し考察してみました。



水系消火設備には、いくつかの種類がありますが、

今回は弊社がメインとして施工・工事をしている消火設備について説明します。

① 屋内消火栓設備

② 連結送水管

③ スプリンクラー消火設備

大きく、この3つを主軸として施工しています。



有事の際に、すぐに放水による消火活動を開始できるように、

配管内を常に充水しておく必要があるため、

建物の屋上に「補助用高架水槽」を設置することがあります。

※寒冷地などで凍結の恐れがある地域では、

 「乾式」の消火設備もありますので、

 今回はあくまでも弊社がメインとしている消火設備についてのお話です。



屋上だからこそ、防水との関係が出てくる

建物の屋上に設備を設置するとなると、

当然ですが「防水」と関係してきます。

そこで、設備配管が屋上の防水層を貫通する部分で登場するのが、

いわゆる**「ハト小屋」**です。

そこから基礎上に消火用水槽を設置します。

新築工事の場合、屋上の水槽の仕様が気になります。

「有効水量」と「材質」をまず確認します。

有効水量については、条件によって緩和できる場合があるので、

まず「何㎥の水槽なのか」を確認します。
VE案の検討として、水槽のサイズを小さくできる可能性があります。


水槽本体の材質については、

SUS製であれば、

異種金属の絶縁や接続口などを確認する程度で済むことが多いですが、

FRP製の水槽は可燃性材料であるため、

私の場合は改めて消防上の確認を行います。



水槽周りは、一度覚えてしまえば難しくない

水槽周りの構成要素は、それほど多くありません。

そのため、

一度覚えてしまえば、意外と簡単です。

接続する配管のサイズについても、事務審査・検査基準に明記されています。



特に、

25A以上の配管で自動給水されるかどうかは、

施工方法にも大きく関わってくるので、早い段階でよく確認しておきましょう。



水槽への接続配管としては、

● エア抜き
● 逆止弁
● 仕切弁
● フレキ

などがあります。



これらを、どの順序で、どこに配置するのか。

そして、

配管同士の離隔や取り回し、

配管の支持・固定方法なども、

よく考えて作図・施工する必要があります。

さらに、

配管の保温の有無によっても、

配管同士の間隔や、機器との連結部分に必要となる

有効寸法が変わってきます。



施工参考図と、実際の施工

東京消防庁のHPより抜粋資料

https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/kouhyou/kijun/yobo/js/pdfjs/web/index.html?file=/content/000099574.pdf

実際、この第2-11図が施工参考例としてあります。



ただ、よく見ると、

エア抜き弁の位置が私の施工とは異なります。

私の考えでは、

この図に従ってそのまま配管した場合、

エア抜き後、立ち上げ配管内に水がたまったまま残ってしまいます。

また、

ゲートバルブの位置についても、

私はできるだけ水槽から一番遠い位置に配置するようにしています。

なぜか?



理由は単純です。

水槽周りの機器を更新するときに、

消火システム全体の機能を停止することなく、

交換工事ができるようにするためです。



例えば、

上記の第2-11図のような機器配置で逆止弁を交換する場合、

スプリンクラー消火設備であれば、1次側の竪管の水を抜く必要が発生します。

そうなると、消火設備の機能を停止しておく必要があります。

一方、

ゲートバルブの位置を適切に配置しておけば、

消火設備の機能停止をせずに、生かしたまま機器交換できます。

第2-11図のように水槽側に仕切弁を設置するメリットがあるとするのなら、

屋上の水槽の水を排水せずに済むことくらいです。

これも一つのメリットではある。

屋上の水槽がメインとなる消火水槽で、

数十トンの有効水量を確保しているような場合であれば、

水槽の水を温存することには意味があります。

ただ、

一般的には、屋上の補助用高架水槽は、

大きくても3t以下である場合が多いイメージです。


※ 上記に添付してある施工イメージや図面は、

  水槽側に仕切弁を設置してあります。

  その現場の設備担当者の指示によるものです。


最後に「表示」も大切

屋上の消火用水槽周りは、表示関係もしっかりしておきましょう。

屋上は、

夏の暑さや風雨、場合によっては風雪にもさらされます。

そのため、

何の系統の何の配管なのか。

何を目的としたバルブなのか。

通常状態の時、バルブは開いているべきなのか、

閉まっているべきのか。明確に開閉表示をしておく。

こうしたことが、

メンテナンス時など建物関係者が一目で分かるように、

系統表示やバルブの開閉札などを、適材適所な形状で施工しておくことが大切です。

設備というのは、施工して終わりではありません。

点検・修理・更新をします。

そのときに、

「このバルブ、何のためにあるんだ?」

とならないようにしておく。

私は、こういうところも設備工事の大切な仕事だと考えています。

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