こんにちは
今でもカブトムシが好きな消防設備士の岩崎です。
今年も「ミヤマクワガタ」とは出会えないまま、夏が終わってしまいそうです。
さて、今回は「白黒つける」というタイトルです。
実は私自身の性格も、どちらかというと白黒をはっきりさせたいタイプ。
そして、仕事の中でも特に「白黒をつけておきたい」と思う施工箇所があります。
それが、埋設配管です。
なぜ、埋設配管は神経を使うのか?
埋設配管は、その名のとおり施工した配管を土の中へ埋めてしまいます。
つまり、一度埋めてしまえば、普段は目で確認することができません。
だからこそ、きちんと施工をやり切っておかないと、
「本当に大丈夫なのか?」
という疑心暗鬼が残ります。
特に、アスファルト舗装の下に配管する場合は、なおさらです。
もし後になって漏水が発生したら、
土を掘り返す。
舗装を撤去する。
原因箇所を特定する。
撤去・再配管の施工。
そして、また埋め戻して舗装する。
……かなり大掛かりな工事になります。
しかも今回は送水口へ接続する配管です。
配管サイズも100A~150Aクラスの太物。
「埋めてしまえば見えなくなるから、とりあえず大丈夫」
ではありません。
見えなくなるからこそ、見えなくなる前に確認しておく。
これが埋設配管では重要だと私は考えています。
今回は、そんな埋設配管の施工例をいくつかご紹介します。
約9年前、現場を一人で担当していた物件
今から9年ほど前。
私が現場担当者として、「一人現場」
一人で水系消火設備工事を担当していた物件があります。
この建物には送水口が2か所あり、
今回ご紹介するのは、地下駐車場入口のスロープ横に設置された送水口です。
外部の非常階段にある化粧パネルへ、壁埋込型の送水口を納めました。

これが、なかなか難易度の高い納まりでした。
何が大変だったのか。
いくつかポイントに分けて紹介していきます。
系統が多く、配管が近接する
この場所では、複数の配管を近接して施工する必要がありました。
施工するのは、
● 消防用水
● 連結送水管
● スプリンクラー配管
など、複数の系統です。
これだけの配管を、現場の状況を見ながら行き当たりばったりで施工することはできません。
特に難しいのが、片押しで最後まで施工できないケースです。
途中で配管を仕込んでおき、後から接続する。
つまり、検討の段階で、
「配管のジョイント部分、割りの入れる位置や振りしろ」
「途中の配管を、どこまで水圧試験まで完了として施工しておくのか?」
を考えておく必要があります。
そこで私は、5W1Hを基本に、
いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように施工するのか。
これを整理しながら、図面と工程を調整していきました。
外構工事との「タイミング」が重要
実際の施工では、外部階段周りの基礎や側溝の形成など、建築・外構工事も同時に進んでいきます。

ここで重要になるのが、工事の区切りに合わせて配管を施工し、完了させておくことです。
なぜなら、外構工事では搬入動線や建築工事の進め方に合わせて、
「ここまで掘る」
↓
「配管する」
↓
「埋め戻す」
という作業を、エリアごとに進めていくことがあるからです。
つまり、配管工事だけの都合で現場を動かすことはできません。
建築、外構、土工事など、他職種の進捗を見ながら施工する必要があります。
今回も、送水口へつながる配管を一度に完成させるのではなく、
途中まで仕込んでおく施工を行いました。
そして、この「途中」が厄介なんです。
「途中の配管」をどう納めるか?
配管は、できれば片側を基準にして、順番に「片押し」で施工していきたい。
そのほうが、寸法も納まりも管理しやすいからです。
ところが、現場の工程によっては、それができない。
そこで、
「途中の配管を、どこまで本設として決めておくか」
が重要になります。
机上で考えれば簡単です。
「X・Y・Zの寸法を、図面どおりに施工すればいい。」

確かに、そのとおりです。
でも、実際の現場になると、
「躯体の誤差」
「他設備との干渉」
「外構工事の進捗」
「搬入動線」
「後工程」
など、いろいろな条件が出てきます。
そこで重要になるのが、架台です。

架台で配管の「基準」をつくる
架台とは、配管を固定するための鋼材です。
この架台を、
「どこまで作り込んでおくか」
によって、その後の施工性が大きく変わります。
必要なところまでしっかり架台を組み、配管の位置を決めておく。
そして、必要に応じてハヤウマアングルなどを使用して、補助的にしっかり固定しておきます。

埋設して見えなくなる配管だからこそ、
「どこを基準に、どの位置で固定するのか」
を施工段階で明確にしておくことが大切です。


そして、水圧試験
ここからが、今回一番お伝えしたいところです。
配管の継手部分について、水圧試験を行う必要があります。
接続部の無い直管はOK。
1箇所でも接続箇所が発生すれば、そこには漏水の可能性が生まれます。

今回、私は加工管として配管加工業者に溶接加工した製品を納入してもらいました。
もちろん、信頼性の高い製品です。
それでも、
「万が一」を考えます。
1/10000の確率でも漏水の可能性があるのであれば、施工者として確認しておきたい。

そこで、途中で仕込む配管についても、必要な手間を惜しまず水圧試験を行いました。

なぜ、そこまでやるのか?
理由は簡単です。
工程が進んでしまってからでは、取り返しがつかなくなるからです。
この配管は、このあと土の中に埋まります。
さらに工事が進めば、外構も仕上がっていきます。
そこまで進んでから、
「漏れていました」
では、話になりません。
だからこそ、
埋める前に確認する。
見えなくなる前に、
自分自身で「大丈夫」と言える状態をつくる。


私は、これが現場担当者として大切なことだと思っています。
どれだけ信頼性の高い材料を使っていても、
「たぶん大丈夫」
ではなく、
「確認した。だから大丈夫」
と言えるところまで持っていく。
それが、私にとっての仕事です。
4本、きっちり水圧試験
今回は4本。
きっちり水圧試験を行い、
「漏水なし」
であることを確認しました。

そして、確認した配管を所定の位置へ設置。

このあと、
片方は送水口へ。
もう片方はバルブユニットを設置し、建物内部へと配管を進めていきます。

見えなくなる配管だからこそ
今回は長くなってしまうので、ここまで。
外部階段周りの「逃げ」の配管というところで終わりにしておきます。
埋設配管は、完成してしまえば土の中です。
完成後に見えるのは、送水口などの一部分だけ。
でも、その見えない部分にこそ、施工者の仕事があります。
見えなくなるからこそ、確実に工事をやり切る。
埋めてしまうから、その前に確信を担保する。
「たぶん」ではなく、「大丈夫」と言えるところまでやる。
これが、私の埋設配管に対する考え方です。
さて、次回はこの続き。
この配管がどのように送水口へつながり、建物内部へ入っていくのか。
施工写真を交えながら、もう少し詳しく紹介してみたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


