こんにちは。


2026年8月19日、厚生労働省が、

労働基準監督署による残業時間の指導について、9月から見直す方針を示しました。

これまで、労使の合意によって月45時間を超える時間外労働が可能な企業に対しても、

労働基準監督署が一律に「月45時間以内に抑えるように」と指導するケースがありました。

今回、この一律的な指導を見直し、労使の合意や実態を踏まえた指導へ変更する方向です。

ただし、ここは誤解してはいけません。

「月45時間というルールがなくなる」という話ではありません。

時間外労働の上限規制そのものは、働き方改革関連法によって設けられています。

建設業についても、

業務の特殊性などを理由として5年間の適用猶予がありましたが、

その猶予期間が2024年3月31日で終了し、2024年4月1日から上限規制が適用されています。

あれから、もう2年です。

建設業界は、大きく変わりました。

大手ゼネコンを中心に週休2日を取り入れる現場が増え、

暦どおりの休日を前提とした現場運営も珍しくなくなりました。

私が携わっている改修工事では、少し事情が違います。

オフィスビルなどの改修工事では、入居者がいない週末や長期連休が、むしろ工事の勝負どころになることがあります。

つまり、一般的な仕事とは逆のサイクルになることもあります。

一方、新築工事では、週休2日を前提として土曜日を休場とする現場も増えています。

もちろん、これは悪いことではありません。

建設業界で長時間労働が問題になってきたことは事実です。

健康を守ることも大切です。

家族との時間も大切です。

休むことも、人生には必要です。

私も、単純に「昔のように戻せばいい」と考えているわけではありません。

では、ここで一つ考えてみたい。

「働きたい人」のことを、私たちはどこまで考えているでしょうか?



「私は稼ぎたい!」

私は、はっきり言います。



なぜか。

自分の生活を豊かにしたいからだけではありません。

家族を養いたい。

子供たちに、できるだけ多くの可能性を与えたい。

「お金がないから、できない」

という理由で、子供たちの選択肢を狭めたくない。

だから私は、仕事を頑張って稼ぎたいと思っています。

これは、私だけの考えではないと思います。

世の中には、

「仕事よりプライベートを大切にしたい」

という人もいる。

それでいい。

一方で、

「若いうちは、とにかく仕事を覚えて稼ぎたい」

という人もいる。

それも、いい。

大切なのは、

その人が自分の人生に合わせて、働き方を選べることではないでしょうか。



「生産性を上げればいい」は、本当にそれだけなのか?

働き方改革の中では、

「労働時間を減らして、生産性を上げればいい」

という考え方があります。

もちろん、その方向性そのものは理解できます。

同じ時間で、より大きな成果を出す。

無駄な作業を減らす。

ITやAIを活用する。

段取りを改善する。

これは、私たち建設業にも必要なことです。

しかし、それだけでは説明できない仕事もあります。

例えば、

時速100kmで走る車があるとします。

同じ速度で走るなら、走る時間が長ければ、その分だけ走行距離は伸びます。

1日は24時間しかありません。

つまり、最大値は、2400Kmでしかありません。

これは、日本だけではなく、世界中の人に平等に与えられた条件です。

もちろん、

「長時間働けば働くほど偉い」

と言っているわけではありません。

ただ、

使える時間そのものを減らせば、同じ生産性で考えた場合、

得られる成果や収入にも上限ができる。

この現実まで無視してはいけないと思うのです。



大型現場にいると「時間」の大切さが分かる

建設業界にいると、時間の経過を少し違った感覚で見るようになります。

一般の仕事では、

「春が来た」

「夏になった」

「もう年末か」

という時間の流れかもしれません。つまり1年の暦のサイクル。

企業によっては、決算が1年の基準になるかもしれません。

私たち現場監督は、

「マスター工程に対して、今どの段階にいるのか」

で時間を見ます。

大型現場になると、数百人の作業員が朝礼を行うこともあります。

それだけの人間が動く。

重機が動く。

資材が搬入される。

仮設材が使用される。

そして、一つ一つの工種が次の工種へバトンを渡していく。

以前は土曜日も稼働していた現場がありました。

土曜日も仕事ができた。

その分、工事を進めることができた。

そして、働く人にとっては、その分の収入を得る機会にもなっていました。

今は、休場日が増えています。

当然、作業員だけではありません。

重機も、仮設材も、現場の設備も、その日は止まっています。

もちろん、これには「休む」という大きな価値があります。

しかし同時に、

「現場を止めることによって何が起きているのか」

も、私たちは考える必要があるのではないでしょうか。



本業の時間を制限して、副業をすすめる?

そして、もう一つ私が疑問に思っていることがあります。

それが「副業」です。

政府は、副業・兼業を促進する方向で環境整備を進めています。

ここで、私は少し不思議な感覚になります。

本業では、

「長時間労働を減らしましょう」

とする。

一方で、

「もっと収入を得たいなら、副業という選択肢があります」

となる。

もちろん、副業そのものを否定しているわけではありません。

新しい経験を得たり、収入源を増やしたり、自分の可能性を広げたりする意味では、副業には価値があります。

でも、

本業で一つの仕事を極めること

にも、大きな価値があると思うのです。



本業で「一流」を目指すという選択

私たちの仕事は、技術職です。

最初から何でもできるわけではありません。

配管を覚える。

道具の使い方を覚える。

図面を読む。

施工図を描く。

現場の納まりを考える。

職人さんと打ち合わせをする。

工程を管理する。

品質を管理する。

安全を管理する。

消防設備士の資格を取得する。

そして、やがて一つの現場を任される。

こうして身につけたものは、単なる「労働時間」ではありません。

自分自身の技術として残ります。

だから私は、

「本業で成果を出す」

ということは、非常に生産性の高い働き方だと思っています。

一つの仕事を深く掘る。

技術を身につける。

経験を積む。

できる仕事を増やす。

責任の大きな仕事を任される。

そして、それに見合った評価と収入を得る。

これも、一つの人生の選択です。



「みんな同じ」であることが、本当に正しいのか?

私は、教育も含めて、

「みんな同じであること」

が美徳になりすぎていないか、と感じることがあります。

もちろん、最低限守られるべき労働者の権利や安全はあります。

そこは絶対に守らなければいけません。

しかし、その先まで、

「みんな同じ時間」

「みんな同じ働き方」

「みんな同じ価値観」

である必要があるのでしょうか。

私はそうは思いません。

もっと働きたい人。

早く技術を身につけたい人。

若いうちに稼ぎたい人。

家族との時間を優先したい人。

仕事と趣味を両立したい人。

それぞれ違っていい。

そして、その違いを認めたうえで、

「頑張りたい人が頑張れる環境」

も残してほしいと思います。



「やるやつは、やる」

建設業の仕事には、厳しい部分があります。

暑い。

寒い。

重い。

危険もある。

覚えることも多い。

現場では、思い通りにならないこともたくさんあります。

でも、

「やったこと」が自分の技術として残っていく。

これは、ブルーカラーの仕事の大きな魅力だと思っています。

「やるやつは、やる。」

私は、この言葉を悪い意味では捉えていません。

努力した人が、技術を身につける。

技術を身につけた人が、仕事を任される。

仕事を任された人が、さらに経験を積む。

そして、その経験が自分の市場価値になる。

こういう世界が、建設業にはあります。

だから私は、若い人に伝えたい。

「仕事をする」ということを、単に「時間を売ること」だと思わないでほしい。

自分の時間を使って、

技術を買う。

経験を買う。

信用を積む。

そして、将来の自分の価値を作る。

そう考えてみてほしいのです。



ルールの中で、どう生きるのか

社会には、ルールがあります。

私たちは、そのルールの中で生きていかなければなりません。

法律もあります。

会社の規則もあります。

現場のルールもあります。

それらを守ることは当然です。

しかし、

「ルールがあるから、それで終わり」

ではないと思います。

そのルールが、

「誰のために作られたものなのか?」

「どんな目的があるのか?」

「その結果、誰が得をして、誰が困るのか?」

そこまで考えてみる。

これは、仕事をするうえでも非常に大切なことだと思います。

『ドラゴン桜』には、社会のルールについて考えさせられる印象的な場面があります。

「 社会にはルールがある。

そのうえで生きていかなければならない。

だがな、ルールってやつは、すべて頭のいい奴が作っている。

つまり、どういうことか。

そのルールはすべて頭のいい奴に都合のいいように作られているってことだ。 」



私がこの言葉から感じるのは、

「ルールをただ受け入れるのではなく、ルールの意味を理解し、自分の頭で考えろ」

ということです。

私は、この考え方を仕事にも持ち込みたい。



私は、私の子供たちのために働く

働き方改革が悪い、と言いたいわけではありません。

休むことも大切です。

健康も大切です。

家族との時間も大切です。

でも、

「もっと働いて、もっと稼ぎたい」

という人の気持ちまで、置き去りにしてはいけないと思います。

「働きたい人」と「休みたい人」。

どちらが正しいという話ではありません。

人生の価値観は、人それぞれだからです。

だからこそ、

自分で選べる社会

であってほしい。

私は45歳になりました。

これまで16年以上、建設業の現場で仕事をしてきました。

現場で覚えたこと。

失敗したこと。

苦労したこと。

職人さんから教えてもらったこと。

一つ一つが、今の自分を作っています。

そして、これからも仕事を続けます。

なぜなら、

私は、私の子供たちのために、頑張って働きたいからです。

もっと技術を身につけたい。

もっと良い仕事をしたい。

もっと会社を良くしたい。

そして、頑張りたいと思っている若い人が、

「この仕事を選んでよかった」

と思える会社を作りたい。

ルールは守る。

そのうえで、自分の頭で考える。

そして、自分の人生を、自分で切り開く。

私は今日も、現場に立ちます。

「私は稼ぎたい!」

その気持ちを、恥ずかしいものだとは思いません。

むしろ、

自分の人生を良くしたいと思う、正直な気持ちの一つだと思っています。

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