人生を楽しむために、仕事も一生懸命にやる。
仕事そのものを楽しみに変えてしまうのも、
ひとつのマインドセットだと思っています。

不動産の営業も、飲食店も、美容関係も。
それぞれが、自分の人生のひとときを過ごした仕事です。
どの仕事にも真摯に向き合ってきたという自負があります。
でも、
この仕事がずっと続くのかと考えたとき、
今いる場所の延長線上に、自分の未来を描くことはできませんでした。
あくまでも生活のため。
お金を得るため。
そこに、自分自身の主体性を見いだせなかったのだと思います。
現職の最大の魅力は、
自分の頭の中にあるイメージを、現実の形にできることにあります。
これが、すごく好きなんです。
成立しないものは、具現化することさえできない。
思い描いたものが実現できない、
その歯がゆさも好き。
なぜできないのかを理解することも好き。
物理的な視点から考え、
成立する条件を探っていくことが好きなんです。
階段を上ることは、位置エネルギーを高めること。
スピードを増すことは、運動エネルギーを大きくすること。
物理の世界では、当たり前のことです。
でも、こうした考え方は、
仕事や人生にも通じるものがあると思っています。
人生は、80年くらいなのでしょうか。
そう考えると、もう折り返し地点を過ぎています。
それでも、
20代の頃と比べて、悔しさやうれしさを感じる感性は、
少しも衰えていません。
むしろ、
今のほうが物事の奥にある意味や、
そこに費やす時間の価値を深く感じられるようになりました。
今朝の現場確認でも、そんなことを感じました。
世界的な高級車ブランドのショールームには、
人を感化するものがあります。
洗練された空間。
細部まで作り込まれた意匠。
その空間を成立させるための、さまざまな設備。
その中で今回確認したのは、
前任者が施工したスプリンクラー設備の原状回復に向けた現場調査です。
一度作り込まれた空間を解体し、再び別の形へと再構築していく。
そのための工事です。
事前に工事内容を確認しておいたことで、
現場で確認すべきポイントも明確になっていました。
アラーム弁の警戒区域を踏まえた、消火システムの機能停止範囲。
特殊な足場が必要になるのか。
建築工事の工程に、どのタイミングで消火設備工事を組み込んでいくのか。
そして、
工程会議で主張しておくべきポイントは何か。
新築工事のように、
何もないところから順番に作り上げていく工事と、
解体から始まる原状回復工事では、考え方も変わってきます。
単純に工程を巻き戻せばいいわけではありません。
解体の進捗や他設備との取り合いを考慮しながら、
必要な施工ポイントまで一気に進めるようなイメージです。
それには、自分たちの工事だけを理解していても足りません。
空調設備、電気設備、
そして建築工事の内容まで、ある程度把握しているからこそ、
消火設備工事としての最適な「一手」を打つことができます。
自分たちの工事だけを見ていては、最適な答えにたどり着けない。
周囲の状況を理解し、全体を俯瞰して考えることで、
初めて見えてくるものがあります。
そして、どれだけ先のことを考えていても、
未来を変えるために行動できるのは、今この瞬間です。
そう思いながら、45歳の一日を過ごしています。

仕事を楽しめる技術者へ。
仕事を楽しむというのは、毎日が楽しいことばかりだという意味ではありません。
思いどおりにいかないこともある。
難しい問題に直面することもある。
自分の知識や経験が足りず、悔しい思いをすることもある。
それでも、
考え、学び、工夫し、自分の判断で物事を前に進めていく。
昨日までできなかったことが、今日できるようになる。
自分が考えたことが、実際の現場で形になっていく。
そんな経験の積み重ねが、仕事を楽しむことにつながっていくのだと思います。
当社が手がけているのは、消防設備を中心とした設備工事です。
現場を管理する仕事には、図面を読む力だけでなく、
建築や他設備との取り合いを理解する力、工程を組み立てる力、
そして現場で判断する力が求められます。
もちろん、最初からすべてができる必要はありません。
経験を積みながら、一つずつ身につけていけばいい。
大切なのは、目の前の仕事に向き合い、
自分で考え、できることを増やしていこうとする姿勢です。
自分の仕事に、主体性を持てるようになること。
それは、働く時間を単なる生活のための時間から、
自分自身を成長させる時間へと変えてくれるはずです。
経験者は、これまで培ってきた知識や技術を、
さらに広い視野で生かすことができます。
未経験者も、現場を知り、設備を知り、
少しずつ判断できる範囲を広げていくことができます。
自分の足で階段を上るように、一歩ずつ。
努力することを苦痛だけで終わらせず、
できることが増えていく喜びに変えていく。
そんな働き方に興味がある方と、一緒に仕事ができたらと思っています。


