消防設備士、本日の午前中の業務紹介です。

十数年前に、ビルの全面リフレッシュ工事を行った物件の見積もり依頼が来ました。

今回は、役員室などがある特殊フロアに空調機を増設するため、天井の一部を解体する工事です。

天井には、照明や火災感知器、スプリンクラーヘッドなど、さまざまな設備が設置されています。

そのため、天井の解体に伴って、各器具を一旦取り外す必要があります。

ということで、

「空調増設に伴うスプリンクラー対応工事」

この見積もりを作成します。

まずは、見積もり条件の確認

見積もりを作るときには、まず工事条件を確認します。

・作業時間帯は、日中なのか夜間なのか
・官庁届出書の有無
・在来天井なのか、システム天井なのか

今回は、日中の土日祝日作業です。

そして工事内容としては、

在来天井部分のスプリンクラーヘッドの巻上げ・巻戻し。

という作業になります。

今回の作業ターン

大きく分けると、3ターンです。

① 天井解体前
スプリンクラーヘッドに保護キャップを取り付け、天井LGSへの固定金物を撤去して、SPヘッドを巻き上げます。

② 天井復旧対応
天井LGS組みに合わせて、SPヘッドを巻き出します。

天井ボード施工前。

③ 天井仕上げ完了後
化粧プレートを取り付けます。

今回はSPヘッドの位置変更もありません。

そのため、所轄消防への着工届・設置届の提出はありません。

※厳密にいうと、消火設備を触るので届出は発生しますが、

 このような場合は、不要であると所轄消防より言われております。

では、何人工か?

今回の空調増設工事では、まず空調工事の工事金額があります。

そこに関連して、

建築工事として、天井ボードの撤去復旧、

電気工事、そして消火設備工事として、器具の脱着が発生します。

全体の工事金額を算出するにあたり

消火設備についての概算金額を求められたので、算出してみました。

まず、当時の施工図を確認します。

竣工時は実配管でのSP巻き出しとしていたものを、

現在は「フレキ化」してあります。

これによって、

消火配管の水抜き作業が不要になります。

真空ポンプ等の特殊な道具類は 必要ありません。

消火設備を熟知した配管工が1名いれば対応できます。

ということで、

「3人工ですね。」

となります。

でも、本当に「3人工」だけなのか?

見積もりのご依頼をいただいたサブコンさんには、

「3ターンの作業です。」

「消火設備を熟知している職人だけで対応できます」

とお伝えしました。

そのうえで、

・職人だけを手配する場合
・管理者である私が立ち会う場合

この2パターンで金額を提示しました。

適正金額って、何だろう?

見積もりを作るたびに、毎回考えさせられます。

狭い視点で今回の工事だけを見れば、

職人3人工で完了できます。

ただ、

今回それができるのには理由があります。

10年以上前に自分自身が施工した物件であり、

すぐに当時の施工図を確認できます。

さらに、実際の施工内容も把握しています。

だからこそ、

「ここなら、この作業で大丈夫だ」

と判断でき、最小限の人工数を検討することができます。

もし、

まったく未知のビルだったらどうでしょう。

やはり、工事金額を多めに見ておく必要があります。

見えない部分に何があるのか。

実際の施工が図面通りなのか。

既存設備との干渉はないのか。

そういった不確定要素が増えるからです。


そして、

継続的にお客様との関係を維持していくためには、

お客様の立場に立つこと、そして、客観的に工事金額の妥当性を考えること

も大切だと思っています。

「あの下請けに頼むと、ものすごく高い」

そう思われてしまえば、次から仕事が他へ流れてしまうかもしれません。

だからといって、安ければいいわけでもありません。

お見積もりを提示するにあたって、

高すぎることも、安すぎることも「リスク」

なんですよね。

今回の工事は、SPヘッド2個である。

過去に自分自身がすべて施工を担当していた物件ということもあり、

現実的に工事金額を低く抑えることができました。

もちろん、

「高い」「安い」「妥当である」

というのは、最終的には先方の受け止め方にもよります。

「○○なら、いくら」とは決められない

工事金額というのは、物件ごとに状況も仕様も変わります。

だから、

「スプリンクラーヘッド 2個なら○○円」

と、一概に決められるものではありません。

現場条件、作業時間、既存設備、施工方法、必要な人工、

そしてリスク。

それらを一つひとつ考えて、金額を決めていきます。

この工事金額を、その都度しっかり考えること。

これも、工事担当者としての大きな役割の一つだと思っています。


企業として継続して業務を行っていくためには、

当然、利益も必要です。

そして、工事を請け負うということは、

それに伴うリスクも引き受けるということ。

だから、

安請負はできません。

お客様にとって適正な金額。

そして、会社としても継続して仕事ができる金額。

その両方を考える。

これもまた、

消防設備士・施工管理者としての仕事の一つなんですよね。

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