昨夜10時近く、以前担当した物件のメーカー担当者から電話がありました。
この時間に電話!
良からぬ知らせである可能性が高いですね。
内容は、
搬入トラックが進入ルートを間違え、泡消火設備に接触。
消火薬剤が放出されてしまったとのことでした。
直接的に人命に関わるような状況ではないとのことだったので、
翌日となる今日、現場の確認に行ってきます。

まずは、事故の状況を把握する
今回の物件は、
荷捌きエリアとは別に、用途の異なる施設の入り口があって
有効高さが異なる建物でした。
高さ制限の表示などは適切になされていますが、
今回は搬入トラックが誤って進入し、消火設備に接触してしまったものと考えられます。
設置されているのは、特定駐車場用泡消火設備です。
設備の構造から考えると、
下向きの閉鎖型ヘッドが設置されている箇所、
つまり大梁の下や角ダクトの下など、
比較的低い位置にあるヘッドの破損が想定されます。
露出天井に設置する水系消火設備では、
一般的に上向きの閉鎖型ヘッドを使用します。
一方、
ヘッド周囲が散水障害となるような
必要な離隔を確保できない場合には、感熱開放継手を用い、
想定されている天井高さ付近に
下向きの開放型ヘッドを設置します。
今回のように、
車両の接触によってヘッドが破損し、消火薬剤が放出された場合、
下向きの閉鎖型ヘッドであることが可能性として高いです。
消火設備の緊急対応は、初動が重要
今回の消火システムでは、
泡消火ヘッド1個当たり毎分35L以上の消火液が放出されます。
(スプリンクラーヘッドでは、放水量が毎分80L以上など。)
※実際の放出量は、設備の仕様や放水圧力などによって異なります。
破損状況によって、放出される消火液の量や、周囲への被害も変わってきます。
閉鎖型ヘッドが破損した場合、ヘッド部分の止水をすることはできません。
そのため、設備の構成や現場の安全を確認したうえで、被害の拡大を防ぐための対応が必要になります。
今回のようなケースでは、次のような対応をします。
● 当該エリアのアラーム弁を閉止する
● 設備の構成に応じて、親子弁などを用いた排水操作を行う
● 損傷したヘッドからの放出による被害を抑制し、必要に応じて受け容器などで消火液を回収する
● 設備の状況を確認し、必要な安全措置を講じたうえで、消火ポンプの停止などを行う
これらは、設備の仕様や現場の状況に応じて判断するものです。
特に、消火ポンプの停止や弁の操作については、設備全体への影響を確認しながら対応する必要があります。
適切な措置を講じることで、事故が発生した警戒区域への影響を抑えつつ、
ほかのエリアの消火設備を可能な限り通常の状態に維持することを目指します。
もちろん、最優先は人命と現場の安全です。
そのうえで、被害の拡大を防ぎ、
復旧までの影響を最小限に抑えることが重要になります。

漏水事故といっても、対応は一律ではない
まずは現場を確認し、損傷した設備の状況を把握したうえで、
復旧工事の内容や実施日時を調整します。
漏水事故といっても、
設備の種類や設置場所、被害の状況によって、
対応の緊急性は大きく変わります。
今回のように車路で発生した事故と、
オフィスやマンション、老人ホームなどで発生した事故とでは、
放出された水や消火液による影響も異なります。
人が生活する場所や、業務を継続している建物であれば、
より迅速な対応が求められるケースもあります。
状況によっては、
昼夜を問わず対応する必要があります。
また、
今回の設備とは異なる従来型の泡消火設備では、
設備の構成によって、1区画当たり約50㎡の範囲に消火薬剤が放出されるケースもあります。
スプリンクラー消火設備の一次側配管や連結送水管などで破損が発生した場合には、
放出される水の量が非常に多くなり、大きな水損事故につながるおそれもあります。
同じ「設備の破損」というトラブルでも、
設備の種類や破損箇所によって、求められる初期対応も緊急性も違うのです。
だからこそ、設備の構造を理解し、
状況に応じて適切に判断できることが大切だと考えています。

連絡が取れる人間であること
防災設備に携わる者として、私が大切にしていることがあります。
それは、緊急の連絡を受けたとき、
可能な限り確実に応答することです。
どんな時間であっても、
まずは電話に出る。
電車に乗っているときなど、
すぐに話せない場合は、状況が許す限り折り返す。
もちろん、電話に出ること自体が対応のすべてではありません。
大切なのは、
連絡を受け、状況を把握し、必要な判断や対応につなげることです。
困ったときに相談できる。
何かあったときに連絡が取れる。
そして、
必要な対応を一緒に考えてくれる。
そうした存在であることも、
仕事を通じて積み重ねていく信頼の一つだと思っています。
私は、そんな
「連絡が取れる人間」でありたい。
そして、
そうしたイメージを持っていただくことも、
岩崎ブランドのブランディングです。
頼りになる男でいたいじゃないですか!



