受注を検討している物件のCADデータをいただいたので、
現在、Rebro(レブロ)で設計図をトレースし、配管図を作成しています。
まずは工事内容を把握するため、下準備となる配管の展開を作図しています。
CADで作図しておく利点は、
数量を正確に拾えること。
また、
いずれ施工図や総合図、竣工図の作成も必要になるため、
初期段階から図面をデータ化しておくことは重要です。
それにしても、歯がゆい。
使い慣れたTFASであれば、午前中には書き終えてしまう作業です。

ところが、
Rebroでは操作方法を確認しながら進めているため、なかなか思うように進みません。
3D空間での操作も、
似ている部分もあれば、まったく逆の操作が必要になる部分もあります。

これまでの感覚で操作すると、思いどおりにいかない。
慣れているはずの作業に時間がかかるというのは、なかなかのストレスですね。

最新こそ最良。しかし、使いこなせるかは別の話
「最新こそ最良」とはいうものの、
長年プロペラ機を操縦してきたパイロットが、
いきなり最新のジェット機に乗り換えるようなものです。
操縦席には電子制御のシステムが並び、スイッチも多い。
できることは増えているはずなのに、
慣れるまでは、かえって窮屈に感じてしまいます。
もちろん、機械が悪いわけではありません。
自分が新しい環境に順応できていないだけです。

17年の経験があっても、学び直すことはある
設備業界に携わって17年。
現場の納まりや配管ルート、機器の配置については、
これまでの経験から建築図を見れば
直感的に完成形をイメージできます。
水系消火設備は、必要な場所に必要な機器を配置し、
適切な配管ルートを構築していく。
流水検知装置や末端試験弁、制御弁なども、
空間の大きさやスリーブの位置、
ほかの設備との取り合いを把握すれば、
経験をもとに配置場所が見えてきます。
頭の中では、すでに図面ができあがっている。
ところが、それをCAD上で具現化しようとすると、
操作方法がわからない。
「あれをこうしたい」
「ここをこう変更したい」
イメージはあるのに、思うように手が動かない。
これが、今の歯がゆさです。

配管を描く、機器を配置するといった基本操作そのものは、
Rebroでも難しいわけではありません。
今は、自分がやりたい操作に対応するコマンドを覚え、
操作の流れを身につけている段階です。
頭の中にある完成形を、ストレスなく画面上に表現できるようになれば、
これまでの経験も十分に生かせるはずです。
AIが図面を描く時代。それでも、経験は必要になる
将来的には、建築図や設備図などの条件を与えれば、
AIが最適化された配管ルートや機器配置を提案し、
たたき台となる図面を自動生成する時代が来ると思っています。
いや、
部分的には、すでに実現できる領域に入っているのかもしれません。
ただし、AIが描いた図面を、そのまま現場で施工できるとは限りません。
実際の施工では、躯体条件やスリーブの位置、
ほかの設備との取り合い、施工性、維持管理のしやすさなど、
さまざまな条件を考慮する必要があります。
その判断には、現場で積み重ねてきた経験が生きてきます。
CADを操作する技術と、設備を理解して図面を成立させる技術。
この二つは、似ているようで別のものです。
だからこそ、経験を積んだ技術者であっても、
新しい技術を学ぶ必要があります。
時代の流れに順応していく
17年の経験があるからといって、
これまでのやり方に固執していては、いずれ時代の流れに取り残されてしまいます。
新しいソフトが登場し、設計や施工管理の手法も変わっていく。
そのたびに、
これまで身につけた知識や経験を土台にしながら、
新しい技術を取り入れていく必要があります。
年齢を重ね、経験を積むほど、自分なりのやり方も確立されていきます。
だからこそ、ときには慣れた環境を離れ、学び直すことも大切なのでしょう。
まずは、このRebroを使いこなせるようになること。
早く今のゾーンを抜け出して、
頭の中にあるイメージを、ストレスなく図面として具現化できるようになりたいですね。
経験を積んだから、学ばなくていいのではない。
経験を積んだからこそ、
新しい技術を身につけ、できることを増やしていく。
そんなことを考えながら、今日はCADと格闘しています。

長くやってきたからこそ、
今のやり方にしがみつくのが一番怖い。
私は、17年の経験にあぐらをかく先輩にはなりたくない。
何歳からだって、新しい武器は手に入れられる。
これを読んでいるあなたは、現状維持に甘えていませんか?


