本日は、来年度の受注候補となっている物件の、
設計図や数量拾い表、工程表などを読み込んでいます
工期が1年、2年に及び、請負金額も1億円を超えるような物件です。
どの物件を引き受けるかによって、会社の未来も変わってきます。
もちろん、
実際に工事を着手してみないと見えてこない部分もあります。
だからこそ、受注を検討する段階では、
図面や仕様書からできるだけ多くの情報を読み取っておく必要があります。
「乗り越えられない壁はない」とよく言われます。
物件との出会いも、ある意味では「めぐり合わせ」です。
消防設備士としてのキャリア形成も同じで、
目の前にある課題としっかり向き合い、それを一つずつ乗り越えていく。
そのプロセスの中で、人は成長していくのだと思います。
未経験者に対して、いきなり無理難題を押し付けるのではありません。
その人の経験や能力に合わせて、少しずつ難しい仕事に挑戦してもらう。
そして、試練を乗り越える経験を積み重ねる。
それが成長につながっていくのだと思います。
結局のところ、
「自分はどうなりたいのか?」
そして、
「俺はやる!」
結局は、腹をくくれるかどうか。
物事って、意外とシンプルなのかもしれません。
一つひとつを見れば、それほど難しいことではありません。

大量の設計図に圧倒されないために
今日、私が向き合っているのは、
国内でもトップクラスの設計企業が作成した設計図一式。
数十億円規模のプロジェクトということもあり、ものすごいページ数です。
普通に考えれば、圧倒されます。
しかし、そこで設計図そのものに飲み込まれてはいけません。
まずは、
「自分の仕事に関係してくるところはどこなのか?」
ここをピックアップします。
自分の中に「型」を持っていれば、
「いつもの納まりと、おおむね合っているのか?」
「この物件特有の違いはどこなのか?」
という視点で、全体を把握することができます。
私の担当する消火設備でいえば、
・スプリンクラー消火設備
・泡消火設備
・屋内消火栓設備
・連結送水管
など。
未経験者の場合、この「型」をまだ持っていません。
だからこそ、大量の設計図を見ると、
「何が重要なのか分からない」
「どこを見ればいいのか分からない」
となり、図面そのものに圧倒されてしまいます。
「型」というのは、春夏秋冬のようなものかもしれません。
料理でいえば、レシピです。
基本となるものを知っているからこそ、
「今回は何が違うのか?」
ということに気付くことができます。

特記仕様書に書かれた「区画貫通処理」
今回の設計図を読み込んでいると、
区画の貫通処理について具体的な表記がありました。
そこで、設備関係の特記仕様書のページを確認します。
特記仕様書とは、工事ごとに固有の技術的内容や施工条件などをまとめた設計図書です。
一般的な共通仕様書だけでは読み取れない、
その物件特有の条件が記載されていることがあります。
今回の設計図では、区画の貫通処理方法についても明記されていました。
これは、施工する側からすると非常にありがたいことです。
というのも、
区画貫通の処理方法が細かく定められていないケースも、実際にはあります。
その場合、空調工事や衛生工事など、それぞれの施工要領書を提出し、
その物件の設備担当者の考え方によって、細かな納まりが変わってくることもあります。
これも、現場で経験してきたことの一つです。
だからこそ、今回のように、
あらかじめ特記仕様として明記されているというのは大きなポイントです。

ALCの区画貫通部にも物件ごとの考え方がある
今回の図面には、ALCの区画貫通部について
「防食テープ巻き」といった具体的な処理方法が記載されていました。
このあたりも、物件によって考え方が異なる部分です。
例えば、
コンクリートやモルタルなど、材料との接触による鋼管の腐食を考慮して、防食処理を行う場合があります。
一方で、
ALCの場合にはコンクリートとは材料特性が異なるため、防食テープを使用しないという考え方の現場もあります。
また、防火区画という観点から、「これは可燃性なのか?」など
使用する材料について細かく確認する担当者もいます。
つまり、
「いつもこうしているから」
ではなく、
「この物件では、どういう仕様になっているのか?」
を確認する必要があります。
そういった物件ごとの考え方まで設計図や特記仕様書の中に盛り込まれている。
ここは、さすがだなと感じます。

小さな記載から、施工をイメージする
設計図を読むとき、私はこういったポイントを一つひとつ拾っていきます。
区画貫通はどうなっているのか。
平面図に記載された空間に対して配管スペースは十分に確保されているのか。
パイプシャフトは狭くないか。
施工時に職人さんが実際に作業できるスペースはあるのか。
こういった細かな情報を拾っていくことで、
まだ着工していない段階でも、その物件の施工風景を少しずつイメージすることができます。
設計図に小さく記載されている一つひとつの情報。
そこには、その物件の「設計思想」が詰まっています。
そして、現場監督にとって重要なのは、その情報を見落とさないこと。
図面をただ「見る」のではなく、
「この仕様で、実際にどう施工するのか?」
まで考えることです。
特に、
パイプシャフト空間が極端に狭い物件は要注意です!
着工してから「入らない」「納まらない」と気付くのでは遅い。
だからこそ、受注を検討する段階から、図面を読み込みます。
現場が始まる前から、すでに施工は始まっている。
私は、そんな感覚で設計図を見ています。



