本日の業務は、
新規物件の設計図から管路損失計算をするための、
下ごしらえです。
新築工事の着工届に必要な資料の一つですね。
新築工事では、
設計図を元に、実際の施工図や根拠図を作成していきます。
消火水槽の水源計算や、消火ポンプの選定根拠。
そして今回、
消火配管を検討するにあたって必要になるのが、
「管路損失計算書」です。
計算自体は、基本的には単純です。
エクセルに必要な数値を入力すれば 計算できるようにシステム化もされています。
設計図を元に、
実際の配管サイズや配管長さなどを具体的に拾い出し、
「アイソメ図」として、管路損失の計算書と合わせて消防に提出します。
消防設備士の現場代理人として、新築工事を全うする。
人生でこなせる物件には限りがあります。

新築物件を、何十件、何百件と経験できるわけではありません。
私の場合、このような計算をする機会も数年に一度程度。
当然、細かいところは忘れてしまいます。
だからこそ、
自分が担当した過去の物件資料をもう一度見直しながら、「挑戦」してみます。

今回は、3年目の若者と一緒に進めていくため、
まずはレクチャーから。
管路損失に関して、「目的」を明確に伝え、具体的なポイントを教えます。
一見、とっつきにくい内容なんですが、
実はシンプルで、単純ですよ。
スタートとなる消火ポンプ、もしくは送水口から、
最も損失が大きくなる最遠部の末端部において、
規定されている放水圧力が確保できるのか。
そこをシュミュレーションしていきます。

私の場合は、
自分がこれまで経験してきたノウハウを凝縮して 部下にレクチャーしてしまいます。
部下が1秒でも早く「即戦力」になってくれることが、
チームとしての総合力UPにつながるからですね。
時代背景もあるのかもしれませんが、
私が入社した当時は、「孤軍奮闘」していました。

すごく分かりやすく表現すると、
スノーボードで滑れるようになるプロセスに似ています。
昔は、とりあえずリフトで上まで連れていかれて、
「とにかく降りてこい!」
という感じでした。
今は、
初心者の教室に入って、基本から教わる。
お金と時間をかけて、最初に投資するわけです。
「プロ」に教わることで、基本を早く身につけることができます。
基本の大切さですね。
私も、そういったことを目の当たりにすることで、
部下へのレクチャーのスタンスは変化してきました。
必要な能力って、実はすごく基本的なことだけです。
エクセル操作も、まずは数値の入力ができればOK。
アイソメ図も、まずは設計図をなぞって、
平面図上で線を引き、CADソフトで「アイソメ」に変換していけばOK。
管路損失に必要な知識は、参考図書や私が過去に担当した物件資料を使って説明します。
遊びも仕事も、大切なことは「向き合うこと」。
先輩でも同期でも、1つの現場で、それぞれの業務をこなしています。
主体的に取りくむ人間と、受動的である人。
以前、
「私は派遣社員だから、言われたことしかこなしません」
という部下もいました。
なんでもいいんですよ。
「やるか、やらないか」。
向き合うかどうかです。
目の前の壁に、ちゃんと向き合ってきた人間というのは、
次に同じような「壁」が出てきたときも、
また乗り越えていくんです。
建物が成り立つプロセスなんて、基本的には同じです。
つまり、同じような現象や問題が起きる。
新築工事の消火システムを、設計図を元に施工できるようになる。
それって、
一つ一つ、目の前のことをこなし続けていくだけなんですよ。
その一つ一つが、
「チャンス」であることを知ったほうがいい。
そうやって、「一人前」になっていきます。
もちろん、
すべてをできるようになることが、必ずしも絶対条件ではありません。
例えば、
消火水槽の連通管でいくつも連なって構築されるピット躯体の水槽などは、
有効水量の計算も、なかなか複雑です。
難しいことにつまずいたまま、動けなくなったり、
そこに執着し続ける必要はありません。
まずは、全体をざっくり把握する。
そして、できるところから進めていく。
今回の管路損失についても、まずは全体像をざっくりつかむ。
そうすることで、
実際に施工図を描くときの配管サイズの選択にも、明確な根拠を持てるようになります。
それを毎回こなしていくと、
やがて、感覚的に設計図を見ただけで、
「ここは、こうしたほうがいいな」
「ここはVEできそうだな」
という案が浮かぶようになる。
そうやって、部下もいつの間にか、
たのもしい存在になっていくんですよね。


