図面の持っている力は、すごいです。
この1枚で、100人でも1000人でも動かせます。
そこで思うのは、
この図面1枚を最適化することで、
例えば、1秒短縮できたとすれば
× 100 or × 1000
秒の時間短縮が可能という事です。
建物のフェーズによって、求められる図面は変わります。
目的によって図面も変わります。
検討図、施工図、部分的な詳細図などです。
私が、
図面を書くときは
まず 第一に
「目的」が何かを明確にします。
次に
その目的を成すために、必要な情報を付加していきます。
そして、
目的に対して最もシンプルな図面に仕上げます。
余分な情報を
そぎ落としていきます。
例えば、インサート図面は下記のようになります。
現地に自分が立ってインサートを入れるときに
必要な情報のみとします。
左側は、RC造 右側は、鉄骨造
通り、鉄骨or型枠 + デッキ
そして、
配管ルート。
目的「インサートを早く正確に入れること」
インサート施工を早くするために、
見る図面の情報を最小限とします。
配管のサイズやレベルなどなんの意味のないです。
ルートを入れるのは、
そこにインサートを打てなかった場合に
逃がす方向をルート上にするために入れます。
また、配管の端部や、分岐点の追い寸法。
上記のポイントを線で結び、そのライン上にインサートを載せていく。
今、インサートを施工している人は、
XとYで寸法を入れてほしいという事なので
配管の流れや、分岐点、端部からの追いとはしていません。
また、
デスクワークを行っている
事務所で見る図面と、
デッキ上の照り返し、炎天下、風雨のなか
暑さや、さむさ。
集中力も低下する状況下の
現場で見る図面。
ピットなのか、屋上なのか、
どこで見る図面なのか?
図面の見え方を変えます。
見やすい色も、事務所と外部では違います。
寸法の文字の大きさや、字体の使い分け。
墨出しで使用するペンの芯の太ささえ
図面を書くときに、私はイメージしています。
インサート図面は、±30mmは想定内としています。
「インサート図面」と対照となるのは
「スプリンクラーヘッドの巻き出し図面」です。
精度が重要になります。
インサート図面を書く上で必要なことは、
施工要領書の配管吊り要領のインプットです。
「ルール」が明記されています。
第一段階は、ルールを知る事。施工要領書参照
第二段階 なぜそこに必要となるのかを
覚える。
実際に、配管をどう吊り込んで、伸ばしていくのかを
よく見ることも重要です。
第三段階 ↑ 興味関心をもって
動くことです。
第四段階
配管作業をイメージしながら、施工図を考える。
上の図面の雲の位置に本来は、インサートを配置すべきです。
特にエルボの片側だけにしかインサートを打たなくなってしまっているのは、
第一段階で止まってしまっているからです。
エルボの両側に、吊りを設けておくことで
配管を仮吊りできる。両手がフリーにすることができます。
そして、
配管の割(ハウジング)を
エルボの左右 どちらにでも配置できるという選択肢が増えるのです。
インサートの使用率は
その担当者の力量に比例します。
特に、露出天井(露出配管)では、明確な差となります。
配管施工者のテンションも変わります。
今日も、炎天下のデッキ上で
デッキに膝をついて
1つ1つ墨を出している職人さんに
私ができる最大限のプレゼントは、
見やすい図面を渡すことだけかもしれません。
その積み重ねの仕事が、のちの配管施工に引き継がれていきます。