工程の中で、フェーズが変わるときがあります。
躯体工事 → 設備工事
鉄骨の建方が進み、スラブデッキ敷き(下記の写真)、のあと配筋、インサートスリーブ取り付け、コンクリート打設
コンクリートの養生期間が終わると外壁の取り付け、間仕切り壁の先行ピース取り付けなどの後 鉄骨に耐火被覆の吹付が行われます。
耐火被覆の吹付が終わると、一気に設備工事に切り替わります。
私たちの消火配管は、フロア全体に配管を施工します。
スリーブ貫通の配管が多く一番高いレベルに位置しているため他設備、
特に空調工事・資材が入ってきてしまうと、
多勢に無勢。作業効率が極端に低下します。
耐火被覆前は、まさに嵐の前の静けさです。
このタイミングに合わせて施工できるかどうかがかなり大きいです。
事前の打ち合わせ、水面下の調整が大事です。
私の場合、
日々 自分自身のブランディングを意識しています。
全体打ち合わせや、作業間調整、職長たちの全体打ち合わせなどでの座る位置。
朝礼での並ぶ順番(風上に立つ=前列)。
現場を歩く姿勢、キーマンとのコミュニケーション。
挨拶をすることや、ごみを拾うことなど。
そういった小さなことが、現場での優位性につながると考えています。
頭一つ抜けること
今回の先行配管の場合は、「先行の美学」が必要です。
だれしも、やりやすい状況で施工がしたいです。
私の仕事が先に行われることで耐火被覆屋さんは多少なりでもやりにくさや、材料のロスが発生します。
相手のそういった状況を知り、先行させていただくための配慮や工夫が必要です。
しっかりした養生。作業車による吹付施工の邪魔になりにくい配管のルート、高さ。
施工困難が予測される個所は、配管の取り外しなどです。
人間と人間なので、声をかけたりといったコミュニケーション。
養生の取り外しも、タイミングが重要です。
養生をはがすときの被覆の飛散なども配慮し丁寧に行います。
区画となる箇所は、配管を一緒に封じ込めます。
穴埋めの施工も省略できます。
ハイグレードの区画処理が必要な箇所は、さらに貫通部を処理します。
先行配管が可能である物件もあればそうでない物件もあります。
養生や、配管の取り回しの変更をしてでも、
先行する価値があるのか。条件や、状況によります。
この物件は、打ち合わせ、配管施工図、搬入や、
耐火被覆屋さんとの交渉などすべて行いました。
相手の仕事を知る事はとても大事ですね。
「敵を知り己を知る」 敵ではないですけれど、味方ではないので 落としどころの調整です。
スリーブ貫通にもかかわらず、上部スラブ面まで振り上げているのは耐火被覆対応の一つです。無駄とは言い切れないです。
「肉を切らせて骨を断つ」