新築当時、私が施工担当者として常駐していた物件の引き渡し後の漏水対応です。
完成後 数年がたった冬 大寒波が襲来しました。
施工不良によるものではなく、機器内の消火水溶液が凍結、膨張し、破損にいたりました。
施工要領書・事務審査基準には、凍結の恐れがある箇所には、保温対応をすることと明記されている程度にとどまります。
この消火設備は、感知ヘッドの開放により減圧、
一斉開放弁の弁体が開き、泡消火水溶液が泡ヘッドより放水され、窒息と冷却によって消火する泡消火設備です。
工事には、消防設備士 甲種2類の免許が必要です。
工事対象箇所は、スロープなので傾斜がついています。高さも4.5mほどあり簡易的な足場は使用できず、スロープ対応の高所作業車を手配しました。
当時は、施工図を描くまでにスキルが至っていなかったので私は、工事管理を行っていました。
やりきろう!というまっすぐな気持ちがあるだけで、実際には、職人さんの知識や、経験に助けられました。
消防完成検査の時に、
物事の大小にかかわらず気になる点は消防協議にて
すべて確認済みです。
気持ちの良い検査ができました。
と、所轄の担当消防官に言っていただけたことが、今でも仕事に対して実直に向き合うことにつながっています。
感知ヘッドから漏水し、つららのように凍り付いています。交換前後の写真
一斉開放弁の2次側 細い配管が感知ヘッド側で、この配管の減圧により圧制開放弁の弁体が変位し、泡ヘッド側の配管と消火ポンプの系統が結びつき、
ポンプによる送水が行われます。
今回は、少量の漏水にとどまっていたこと、早期に発見していただけたことでポンプによる送水には至りませんでした。
消火ポンプ室と、泡の現役タンクの写真です。泡消火の現役注入量の指さしています。
消火設備は、大変アナログな造りをしています。シンプルです。
火災の際に適切に機能づることにつながります。