「親と上司は選べない」とよく言われます。
でも、親になったことで、
私の視野は大きく広がりました。
考え方もずいぶん変わったように思います。
30歳までは、正直
「自分至上主義」でした。
20代は挑戦の時期。
自分の可能性や適性を探し続ける日々。
30代に入ってからは、「個の能力を高める」ことに意識を向けてきました。
大変な現場があれば、
まずは足を運び、現場の空気を感じ取る。
なぜその状況になったのか。
今、何をすべきか。
完成検査までどう処理・対応していくかを考える。
まるで、
ぐちゃぐちゃに絡まった「釣りの仕掛け」を解くような感覚です。
異業種から転職してきた30歳の私は、そんな日々を過ごしていたように思います。
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宮沢賢治の『雨ニモマケズ』、
雨にも負けず
風にも負けず
雪にも夏の暑さにも負けぬ
丈夫なからだをもち
慾はなく
決して怒らず
いつも静かに笑っている
「強く、優しく、他者に貢献する」理想の人間像を描きながら、
同時に、理想通りになれなくてもいいと励ましてくれる詩です。
困難な状況でも挫けず、人に寄り添い、献身的に生きる意志を教えてくれます。
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仕事をすることで収入を得て、
家族を養い、
子どもの成長を見守る。
その一方で、何かを引き換えにしていることもある。
「多様性」という都合のよい言葉がもてはやされる時代ですが、
技術職として生きる私にとっては、
日々の鍛錬を積み重ねることこそが
本質なのかもしれません。
子ども、部下の成長を見ながら、
今日もまた、
自分も成長し続けたいと思った一日でした。


