天井総合図の検討について(SPヘッド配置)

本日も天井総合図の検討・寸法入れを行っています。
今回はテナント入居工事ということで、什器・家具の配置も考慮しながら
スプリンクラーヘッド(SPヘッド)の配置を検討しています。

スプリンクラーヘッドの有効空間とその目的

SPヘッドは、有効空間として以下の寸法を確保する必要があります。
• ヘッド周囲:300mm
• ヘッド下部:450mm

この空間を確保する「目的」は、
SPヘッドから放水された水が、

周囲に障害物があることで遮られたり、
跳ね返ってしまうことによって放水が阻害されるのを防ぐためです。
有効空間を確保することで、

火災時に本来の放水性能を発揮できるようにしています。

什器・家具の高さに関する注意点

特に更衣室のロッカーなど、

高さのある什器には注意が必要です。
天井面から450mm以内にロッカー上端がくる場合、

SPヘッドの有効空間を侵す可能性があります。

また、所轄消防によって考え方に多少の違いはありますが、
高さが1800mmを超えるものは、

壁や柱と同等に扱うという判断をされる場合があります。


私の現在のプロジェクトでも、この1800mmを基準として

検討を進めるように設計者から明確に指示されています。

収納内のSPヘッド警戒について

次に、収納内部のSPヘッド設置(または省略)に関してもルールがあります。
SPヘッドが省略できる条件や対象物については、
「事務審査・検査基準(スプリンクラー消火設備)」に明記されています。
必ず内容を確認し、それに照らし合わせて省略の可否を判断しましょう。

https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/kouhyou/kijun/yobo/js/pdfjs/web/index.html?file=/content/000060072.pdf

記載されているから絶対に省略可能ということでもないことに注意!!

過去の案件では「授乳室」で消防検査時に指摘を受けたことがあります。
正直、無理筋な指摘ではありましたが、
天井点検口と配管サイズに余裕があったため、最終的にはSPヘッドを増設対応しました。
このように、

実際の検査では想定外の指摘を受けることもあるため、
余裕をもった設計・配管サイズの選定が望ましいです。

今日の要確認項目:「収納」について

収納に関しては、基準にすべての条件を満たしていることが求められます。
「人が入れないからSPヘッドは不要でしょ」「前の現場では省略したよ」
といった判断は、条件の一部しか見ていないことが多いので要注意です。

たとえば、
• 照明がある → SPヘッド設置が必要
• コンセントがある → 明記はないが、用途によっては注意が必要

このように、一つの条件だけで判断せず、全体で見て省略可否を判断することが重要です。
特にコンセントの用途は、事前に確認しておくのがベストです。

まとめ
• SPヘッドの有効空間は「周囲300mm」「下部450mm」を確保。
• 高さ1800mmを超える什器は壁・柱同等として扱う場合がある。
• 収納内のSPヘッド省略は、条件をすべて満たすことが必須
• 照明・コンセントの有無は要確認。
• 想定外の消防指摘に備え、設計時に余裕を持たせること。

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