スプリンクラー消火ポンプの起動は、
「減圧起動」です。
スプリンクラー消火設備には、
いくつか種類があります。
閉鎖型なのか、開放型なのか。
乾式なのか、湿式なのか、予作動式なのか。
今回は、消火ポンプに焦点を当てます。
ポンプの起動は、「起動信号」が何か?
→ 圧力タンクの圧力変動からの「圧力スイッチ」 → ON です。
圧力タンクは、空気と水の入ったタンクです。
圧力タンクは、空気が入っていることがポイントです。
空気と水の体積膨張率は異なります。
水は温度によって膨張率が変化し、
例えば100℃の水の膨張率は約0.78×10⁻³/℃ですが、
気体の空気はシャルルの法則に従い、
温度1℃あたりの体積膨張率が約1/273(約3.7×10⁻³/℃)と
非常に大きく、
水よりも膨張しやすい性質を持っています。
→ 私のイメージは、車でいうところの
「エアサス」なのか、「ハイドロ」なのか みたいな感じです。
圧力タンクに、空気があることで圧力変動が緩和されます。
☆
消火ポンプに付属している圧力タンクは、
ポンプ吐出側の「逆止弁」の以降の配管に接続されています。
1次側といわれる系統です。
そこから、
フロアごとに「流水検知装置」を境界に2次側になります。
火災が起こると、
その熱によってスプリンクラーヘッドがはじけ
放水されます。
2次側減圧 →1次側減圧 →ポンプの圧力タンク減圧
圧力タンクにスイッチがついています。
「バネ」
このバネが、「均衡」を保てなくなる設定圧になると、
通電来ます。

設定圧は、私たちの仕事の指南書
「予防事務審査・検査基準」に、明記されています。

すごくアナログなので、ある意味簡単です。
例えば、「0.75MPa」で 起動させたい場合。
・圧力スイッチを +ドライバーで メモリ上0.7MPaくらいに下げます。
・消火ポンプを手動起動させて停止し、待機状態にする。(ポンプ圧 1.0MPaとする)
・圧力タンクから排水し減圧する。
・圧力タンクの圧力ゲージを観察し、
「0.78MPa」で、ポンプ起動が起こってしまう。
・ポンプを停止させる。
・圧力スイッチのメモリは目安でしかないので、
ドライバーでメモリ上0.65に少し下げる。
・再び圧力タンクから排水する。
今度は、「0.75MPa」になっても ポンプが起動しない。
「0.70MPa」で起動した。→ ポンプを停止する。
・圧力タンクから、0.75MPaまで排水し止める。
・今度は、圧力スイッチをドライバーで操作し
メモリを先ほどの0.7に近づくようにドライバーを回していく。
・圧力タンクは、0.75MPaで待っているので
「均衡」が崩れる境界にあてに行く。
・「カチッと!!」通電。ポンプ起動
これで、設定完了。
実際に、設定圧で起動するか確認する。
消火ポンプは、起動圧の設定だけなので簡単です。
☆
補助加圧ポンプの設定。
こちらのポンプは、「起動圧」と「停止圧」があります。
起動圧は、上記同様。
停止圧は、補助加圧ポンプについている圧力スイッチによっても
操作方法は違うので取り扱い説明書を参照してください。
