日常に埋もれることなかれシリーズです。
駅直結の都心のビル。
ネットで調べると、世界で活躍するデザイナーが携わっていることを知りました。
確かに、想像すらすることのなかった空間美、造形美を感じます。
かといって、
消火設備が不要か?というと
必ず必要です。



空間に溶け込んでいる。
特に、高層や地下街といった外部からアクセスしにくいところで
火災が起きた場合なんて想像すらしたくないです。
「トンネル火災」も。
私たちの仕事の中で、
「高さ 31m」
というのは1つのキーワードになります。
「100尺」→「消防車」 この件の話は、また別の機会にします。
☆
写真の消火栓BOX
施工ポイントがいくつかあります。
① 床との取り合い、仕上げレベルが難しい。
仕上がってみると何事もなくそこにありますが、
この消火栓は、仕上げフェイスも工事中の壁下地に取り付けをします。
壁の施工途中の段階で、1発仕上げで設置するのです。
埋込型の裏BOXと かぶせのフェイスの分離型消火栓BOXであれば
壁が仕上がってから 調整もできる仕上げフェイスを取り付けることができます。
床の仕上げも途中段階なので、レベラー打って石タイルの仕上げだと
床の仕上がりに不安が残る。最悪の場合 扉が引っ掛かる 開かない。
消火栓BOXの枠が床にめり込んだり、浮き上がってしまったりします。
そんなの、「腰墨」で追えば正確につくでしょ?とは言えますが
現場って そうもいかないことが多いので懸念事項として上がります。
実際には床の仕上がりが、完璧な水平とはいかなかったりします。

② 壁との取り合い、BOXの枠周りの仕上げが難しい。
消火栓BOXは、壁の下地(LGS)に取り付けをします。
この下地に、壁ボード 12.5mm+9.5mmなどの2枚貼り仕上げ。
LGSから上記の和 22.0mmが仕上げ面です。
理論上は!!!
建設業界も、人間関係も
クリアランスゼロ ではうまくいきません。
「あそび」が必要です。
このフェイス一体型の消火栓は、「遊び」がないのです。
消火栓を壁より出っ張らせて納めるのが良いとされてますが、
この施工状況を見ると、「ツライチ」仕上げを要求されたのだろうと感じます。

「郷に入れば、郷に従え」
世界的なデザイナーのイメージの具現化ですね。
共に建物をつくりをする一員として
消火設備 現場担当者、
施工管理者も奮闘されたのだろうと
この消火栓の設置状況からも感じ取ることができます。
